「小さな命」との出会いのこと

ペットとの感動的な出会い、それは多くの人が経験していることではないでしょうか。偶然ペットショップで見かけた子に一目ぼれをしたとか、生まれたばかりの子犬をもらったとか。しかし、小さな命との出会いはこうしたよくあるケースばかりではありません。中には「捨てられた命」と出会うこともあるのです。

私が小さな命、子猫と出会ったのは家の前にある空き地でした。朝早くから力強く鳴く声は、「僕はここにいるよ!」とアピールしているみたいに思えました。見てみるとまだ生後1ヶ月ぐらいの子猫のようです。しかも感染症なのか目が異常なほどはれていました。とりあえずミルクを運んであげたところ、目が見えないのか、ぼたぼたとこぼしてしまう有様です。私はその子を家にひき入れました。これが自分と猫との最初の出会いです。

子猫には未来があるようにとの願いをこめて「未有」と名付けました。しかし、かわいそうなことに感染した目は治りませんでした。未有は目は見えなかったものの、他の猫と変わらない行動力を持ち合わせ、外の探検にもいさましく出かけていました。やはりこの子にはバイタリティがあったのでしょう。目が見えない以外は食欲も旺盛で、未有は元気に育っていったのです。

やがて月日は流れ、6歳になったある日、目から大量の膿が出てくるようになりました。病院での診てもらうと「原因は感染から」という診断でした。しかし、症状は一向に回復してくれません。あとでわかったのですが、実はガンだったのです。分かった時にはもう手遅れで、治療のしようがありませんでした。病院では安楽死も勧められましたが、生きようとして元気そうに食べている姿を見るとすぐにはそういう選択ができませんでした。

しかし、残酷なことに、その審判の時が訪れました。ガンは脳にまで達し、脳麻痺をひき起こし、未有の行動が暴走してしまったのです。その時にやむなく安楽死の決定を下したのです。今思うと、もっと早い段階で楽にしてあげればよかったのだろうかと後悔の念も残ります。しかし、未有が私に教えてくれた事はたくさんあります。「小さき命」が私に強く生きる力を与えてくれたと感じています。

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